もし、私たちが本当に好きな人を守るために、国のためにどんなことでもしろと言われたら。どうしますか?
命令を効率的にこなすためだけに、疑似的な家族を作り、暮らしなさい。
そうなった時、私たちなら、一緒に暮らすことになった人たちとどんな風に関わりますか?
今回ご紹介する映画、「レッドファミリー」は、どんな状況下においても発揮してしまう「人らしさ」について考えさせてくれる作品です。
日本に暮らす私たちにとっては縁遠い話しかもしれません。
しかし、視点を変えれば、私たちにも通じるところがあると感じています。
今回は、そんな視点を紹介していきますね。
1.映画 レッドファミリー あらすじは?
北朝鮮から韓国へスパイとして派遣された人たち。
彼らはみな、互いに監視しあい、互いに報告しあい、終わりの見えない国の命令に従い続けていました。
本国に、家族を人質としてとられてしまったスパイたちは仕事の成果を示すため、躍起になります。
任務を遂行できなければ、家族がどうなるかわからない。
脱北した人を見つけて暗殺し、脱北者の家族であれば赤ちゃんであっても殺すことを命じられます。
暗殺をこなし、報告をして、許可がもらえたら、本当の家族に向けて手紙を書くことができる。 そんな生き方に、疑似家族として動いていたスパイたちは葛藤していきます。
一方、スパイたちの隣の家には、いつも些末なことで罵り合っている夫婦が住んでいました。
無駄遣いが過ぎる妻。借金をひた隠しにしようとする夫。
2人の喧嘩に呆れかえる息子。
しかし、スパイたちにとってはそんな些細なことすらうらやましいと感じられる空間なのでした。 ある日、そんな夫婦と疑似家族となったスパイたちが、ひょんなきっかけで交流する機会が生まれます。
スパイであることを隠しながら、どうかかわっていくのか。
そして、この疑似家族は命令を遂行する先にどんな未来を見いだしていくのか。
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2.映画 レッドファミリー から考える「人らしさ」とは?
当初は、個々人のスパイとして、密告者の役割を果たしていた疑似家族のメンバーたち。
しかし、与えられる命令をこなす中でフォローする関係が生まれていきます。
詳しい背景は知らない。
でも、同じような理由でスパイになっているのだろう。
そうした想像の中には足元を掬いあう人間関係はありませんでした。
共に暮らし、隣の家族と交流する中で自分たちがスパイとして行うことの意味について考える瞬間が訪れます。
「監視しあう仕組み」が与えられているが、これを守り続けることで本当に幸せになれるのか?
本音を言えば、不利な扱いを受ける可能性がある中、本音を口にしあう関係性へと発展していきます。
監視しあう仕組みにおいて、本音を言い合うことは自身の弱みをさらすようなもの。下手をすれば命取りになってもおかしくないことを、疑似家族のメンバーたちは少しずつ実行してしまいます。
この映画でぜひ、考えてみてほしい1つの視点は
なぜ、赤の他人だった疑似家族のメンバーを互いに守りあおうとするのか?
という点です。
自分にはメリットがないはずなのに、ついやってしまうこうした行い。
身に覚えのある人はぜひ、自分自身の経験を振り返るきっかけに。
そして、この疑似家族のメンバーたちの思いに馳せることで、人が人らしく生きていくために大切なことは何か?をぜひ考えてみてください。
3.最後に
分かり合えない関係性などない。
北朝鮮の思想教育を受けてきた人たちと、韓国で生活をしてきた人たちが
1つのニュースについて対話するシーン。
ここには、意見にすれ違いは起こっても分かり合える余地はある。
そんな希望を感じていました。
私たちは与えられた仕組みの中で色々なことを考え人と関わることが多いと思います。
この人とは分かり合うことができる点なんてなさそうだ。
そんな風に感じる人と出会った時、ぜひこの映画を観て考えてみてください。
もしかすると、最高のパートナーになるためのヒントが得られるかもしれませんよ。
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